ダウンカントリーというジャンルは非常に新しく、試行錯誤している段階だと思います。ただひとつ希望が持てるのは、レースジャンルとして確立されていないということ。レースと結びつかないジャンルを一つないし二つは持っておいたほうが、MTBという遊びを普及させていく上では重要だと思います。そういう意味で、ダウンカントリーをレースに結び付けてしまうのは、現時点では得策とはいえません。
ダウンカントリーバイクを使ってみようと思う動機が二種類あるとすると、
エンデューロバイクでトレイルを走っていた人が下りが楽すぎてつまらない、もう少し走っている実感が欲しくてXCライクなダウンカントリーバイクに手を出すという場合と、ピチピチXCジャージを常に着ている方が、トレーニングの一環として下りに余裕のあるダウンカントリーバイクに手を出す場合の2種類がすぐに考えつきます。
そして、前者の方がこのジャンルに対して遥かに将来性を感じます。
つまり、あくまでもレースとは距離をとった方がいいジャンルだと個人的には思うのです。
ダウンカントリーバイク用に作られたタイヤの感想に関しても然り。
この記事のように、XCライダーが上手くなるための、、、という文言でレースと結び付けて商品の紹介をしてしまっては、せっかく競技と接していない新ジャンルの可能性を恐ろしく狭めてしまうことになるのでは、と危惧してしまいます。
本音を言うと、私はこのような製品紹介をされると買う気が失せます。XCレースの、XCライダーの、、という商品紹介で一体何人の消費者が購買意欲をそそられるのでしょうか?10人?20人?疑問です。
失礼、前置きが長くなりました。
上のレビュー記事でも紹介されているダウンカントリー用のタイヤを、私のなんちゃってダウンカントリーバイクのリアに着けて走ったので、現時点での感想を記載します。
VITTORIA SYERRA
現在使って3週間目に突入。
上の記事では、半年経ってもノブが減らないとレビューされているようですが、私は3週間使用して、中央のサイプ(ノブにある溝)が消えました。
ノブには二層のコンパウンドが使用されていて上層には柔らかいラバー下には硬い土台のラバー、VITTORIAによるとサイプの深さまでは柔らかいラバーがあるようなので、恐らく私のこの状態だとグリップが落ちているはずです。
MAXXIS ARDENTと比べて
MAXXISにARDENTというSYERRAとは似たニュアンスのタイヤがありまして、そのタイヤを暫くの間使っていました。
今のところ、耐久性でいえばMAXXIS ARDENTの方が圧倒的に高い。
というのも、半年以上使ってもARDENT はちゃんとサイプが残っていました。
また、あれだけMAZZAで感動したVITTORIAのコンパウンドですが、SYERRAではほぼ無感動。
というか、本当にGraphen 2.0なんすか?と懐疑的になるレベル。
エンデューロタイヤのMAZZAと比べるのはかなり公平性を欠いているのは自覚していますがそれでも残念。今のところこのタイヤはリアタイヤとしてはリピートはなし。
ARDENTは重量も10gしか変わらないけど、漕ぎの軽さはARDENTの方が上。ARDENTからSYERRAに交換し乗った際に、ん?重い。と瞬時に分かるほど違う。
価格は、
VITTORIA SYERRAは8,030円
MAXXIS ARDENTは8,140円
値段もほぼ同じ。
今のところリアだけの使用なので、フロントにも付けて総合的な評価は必要だとした上で、
現時点の感想としては、良い点を見つけるより先に、耐久性の低さが全てを台無しにしてしまっているタイヤだという感想。とても残念。