削足適履
足を削って靴に合わせる。という熟語です。
目先のことにとられて、大事な物事を忘れてしまうことを意味します。
サスペンション付きのMTBに乗っていて、タイヤがグリップしなくて怖いという場合。タイヤの空気圧を下げて解決を試みるという場合が多く見受けられます。
その際タイヤの空気圧を確認すると1.0bar以下まで下げていることが多々見受けられ、さらにフォークのサグを見ると30%オーバー。
これだとフォークは正常に機能しないので、タイヤのグリップは得られないのもうなずけます。フォークもタイヤも空気圧がマニュアルよりも大きくそれる結果になっています。フォークの異常に気がつかず、タイヤの空気圧を抜き帳尻を合わそうという行為はまさに削足適履。
とりあえず、サスペンションフォークやリアユニットは金額としても機能としてもMTBに及ぼすウェイトはトップレベルに高いのでマニュアル通りのセッティングにしましょう。
今日は、マニュアルどおりに設定しているけど前輪が弾かれて怖いというお客さんのセッティング。
多くの場合フロントは15~20%、リアは25~30%のサグがマニュアルにあると思います。今回のバイクはフロントは20%リアが30%のサグに設定されていました。
前輪が弾かれるといった場合フロントフォークのサグを少し多めにするという解決方法がよくある解決法だと思いますが、今回のフォークは20%取っているので、それ以上空気圧を抜くことは得策ではないと判断し、マニュアル内で収まるようにリアショックを加圧し25%(monarch plus rc3の場合20~30%がマニュアル)までサグを減らしました。
ご存知のように、前輪に加重がうまくかけられない場合、フロントが弾かれる場合が多くあります。そのため、今回はリアを加圧し自然に前輪に荷重がかかるようにセッティングしました。前後のサグをマニュアル内に収めて解決するとこのような方法が正解になることもあると思います。
ちなみに、セッティングを変えた後、いつも走っているトレイルを走行していただいたのですが、「ビックリするほど安定感があがった」とのことです。
サスペンションのセッティングを全く触ったことがない方は、一度ご確認いただくか、ご相談ください。少しはお役に立てるアドバイスをすることが出来ると思います。