明雅屋の感想

京大最寄の自転車屋です。一般車・MTB・油圧系修理が得意です。

あったらいいものシリーズ 8-11速 ホイール

あったら嬉しいものシリーズとして、ホイールを組んでみました。

8-11速 boost ホイール

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この見出しを見た瞬間、食指が動いた方は多数いらっしゃるかと思います。

そう、8-11速HGのboost ハブがついたホイールは完成車の台数の割に少ないのです。

8-11速HGハブという盲点

完成車価格20万台までのMTBは概ねこの規格のホイールが付いているのではないでしょうか。

Shinanoは12速以外はこの規格で、micro shift もこれ、SRAM もNX SXグレードはこれ。

そして、よく乗る方の場合一年ほどでフリーボディが壊れるのもこのグレード。

そんでもって、フリーボディが補修部品として用意されていない完成車仕様のホイールだと、ホイールの交換に。という流れになるのです。

しかし、困ったことにコスパの味方Shimano 完組みホイールはこの規格は壊滅。

他メーカーはあるにはあるけどけっこう高い。

※知る限りだと、国内代理店取り扱いの一番安いホイールで、ALEXRIMSの完成ホイール (VXD4B)前後セットで79,200円

 

そこで弊店は考えました。

・HGスプロケット対応(8-11速スプロケ)

・148boostハブ

・フリーボディ含め、ハブの補修パーツが存在する

・チューブレス対応

・2.4幅のタイヤにベストフィットのリム幅

・2万円台

のホイールがあると喜ばれるのではないかと。

 

で、その全てを満たしたホイールを作りました。

GLC アルミリム 29 内幅30mm

FC-TC500(CUES)148×12

8-11速対応HGフリー

Stans チューブレステープ

 

そして重さは驚異の

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まぁ、軽すぎるよりはいいんじゃないですか?

ダウンヒル対応のリムを使ってますからね、この際重量には目を瞑ってください。

値段は、税込み22,000円

Shimano ホイールとの比較

比較として、12速専用のShimano完組ホイールの価格を記載いたします。

・WH-MT601 内幅25mm(Simano公式タイヤ推奨サイズ2.00~2.40)

価格19,302円

・WH-MT620 内幅30mm(Simano公式タイヤ推奨サイズ2.25~2.60)

価格24,522円

ともに12速マイクロスプライン専用のため、8-11速スプロケは使用できません。

また、チューブレス対応の8-11速用の148mm完組ホイールはSimanoには現在ありません。

8-11速でチューブレス非対応のホイールはWH-MT500-B(16,395円)というモデルで存在します。ただ、リムの内幅24mm、Simano公式タイヤ推奨幅は2.00~2.35です。チューブレスに対応していなくて、許容タイヤ幅も少し狭いホイールのためMTBとして運用するのは少し心もとないスペックです。

明雅屋ホイール

リム:GLCアルミリム 

ホイール径 : 29

リム内幅:30mm 推奨タイヤ幅2.25~2.60

ハブ:148×12mm boost センターロック

スポーク:32本 Dtswiss Champion2.0 (予備スポーク付属)

チューブレス:対応

フリーボディ規格:8-11速HGカセット対応 (フリーボディを含め補修パーツあり)

価格:22,000円

 

この度組んだホイールは救世主になると思います。

 

店頭、web shop で販売中。

29 リアホイール 8-11速HG アルミ | 明雅屋STORE

HT PA03A フラットペダル

HT PA03A

というコンポジットペダルを仕入れてみました。

HT PA03A

なぜ今コンポジットのフラットペダルか、と言いますと。

海外レビューで異常に評価の高いペダルだからです。

・Bikeradar

Cons: None

悪い点:無し

あまり見ない、悪い点「None」

ハッキリ言ってヤバイ。

HT PA03A flat pedals review - Pedals - Components - BikeRadarwww.bikeradar.com

mbr.uk

www.mbr.co.uk

In dry weather the HT’s are a total winner, but in the worst mud and slime, the inner, fatter plastic studs offer little purchase and the overall grip levels are reduced to marginally less than the best aluminium pedals on test.

ドライ路面ではHTの圧勝だが、泥や粘土質な路面では、内側の太いプラスチック製スタッドはほとんどグリップを発揮せず、全体的なグリップレベルは、テストした最高のアルミ製ペダルにわずかに及ばない。

こんなん価格を考えたらほぼ手放しでの評価やん。

 

どうやら国内ではあまり知られていないようで、「安い」、「カラフル」といった文言で宣伝されているようでして、ペダルとしてのパフォーマンスにはノータッチ。

嘆かわしい限り。

 

というわけで、使っております。

以前使ったHorizonペダルと比べると、グリップは少し劣りますがそれは上のレビューでもあるようにウェットの時に健著に出るだけで、ドライだと互角の戦い。

たしかに、内側のプラッスチックのピンが少し惜しい。濡れているとちょい滑る。

meigaya.hatenablog.com

登りだと、クリップペダルなら難無く登れるようなトレイルの登りは困難を極めますが、

クリップペダルなら難無く登れる斜度のセクション

下りであれば、足が離れるような恐怖を感じることは今のところありません。

Nukeproof NEWTRON(コンポジットペダル)も結構好きでしたが、弱点はボディが壊れやすいところ。岩や木にヒットするとシャフトごともげることがあります。

meigaya.hatenablog.com

しかし、HT PA03は海外レビューの通りであればかなり頑丈とのこと。

これで価格が、6,798円

そりゃ満点やろ。

 

私も今のところ文句はありません。

完成車に付いてるペダルをアップグレードしたい方、普段グリップペダルだけどペダリング向上のためにフラットペダルを使いたいけど価格を抑えたい、とお考えの方。このペダルはかなりおすすめです。

フラットペダル嫌いの私前田が満足しているので、信憑性は高めです。

 

web・店頭で販売中

→今だけ割引き中

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2024 Santacruz Chameleon 入荷

商品の紹介です。

Santacruz Chameleon Mサイズのフレームの在庫ありです。

2024 Santacruz Chameleon Mサイズ

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Gloss Navy Blue

エンドは29インチ用です。

現在価格は190.300円ですが、値上げ前にオーダーしたもののため144,056円です。

 

完成車にした場合の一例です。

現在部品代が上がっているため、多少の変更はあるので参考程度に。

meigaya.hatenablog.com

 

店頭、WEBで販売しています。

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Transition Bikes 取り扱い開始

今回の記事は軽めのお知らせです。

 

Transition Bikesの取り扱いを開始いたしました。

この度販売したのはこちら。

Spire Alloy GXkit 

ダウンヒルシリーズに出場される方のバイクのため、オリジナルからはホイール周りを変更しています。

という新規取り扱いメーカーのお知らせでした。

 

 

 

WHAKA100と王滝

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Whaka 100というニュージーランドMTBのレースに参加してきました。

走る距離が10km 25km 50km 100km 160kmと種類があり、トータルの参加者は3000人近くはいくビッグイベント。

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多分NZのMTBイベントでは最大級ではないかと思います。そして私が出場したのは50kmの部。

王滝とWhaka

長距離イベントだと、日本では王滝が思い付きますね。私、ちょうどこの9月に参加していました。

王滝は永遠ダブルトラックのパワー系コース、

そのため王滝はグラベルバイクも、シングルスピードの参加者も多数いらっしゃいました。

一方Whakaは8割強はシングルトラックのトレイルメインのテクニカルなコース。

トレイル難易度1-4(MAX5)で構成されているコースのため、ドロップオフあり、木の根あり、斜度いテクニカルな登りありのためフルサス一択になります。実際、シングルスピードはおろか、ハードテイルも殆どいません。

前Vittoria Barzo 後ろVittoria Mezcal

私はSantacruz Blur TLという前後120mmのバイクで出ました。そして普段のトレイルだとなかなか使い切ることのない120mmを何度もフルボトムさせました。ニュージーランド人からすれば朝飯前の難易度でしょうが、通常日本しか走っていない私にとってはハードなレイアウト。

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王滝はコース幅が広く、見通しもいいので全力で登って下る、そして他の選手を抜きやすいため爽快感は半端ないですね。普段こんなことできないから、やはり楽しいっちゃ楽しい。

Whakaはほぼシングルトラックのトレイルで構成されてるので、嫌ってほどにマウンテンバイキングを楽しめます。ギリ行けるかいけないかの登りを登って、前転ギリギリの下りや腰の高さくらいのドロップを飛ぶ。みたいなやつです。

ただ、道幅が狭いのでシードがなく後方からのスタートだと詰みます。なかなか抜けません。

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どちらが良いか、ではなくどちらも良い。

ただ純粋にMTBを全力で乗ったなぁと思うのはWhakaです。というのも、近くにあるRotorua Skyline というゲレンデに走りに行くつもりで次の日1日開けてましたが、腹一杯になったため近所の散歩で済ませました。そのくらいレースでやり切りました。3日ほどは乗らなくても大丈夫そうです。


成績は

王滝42kmは16/391位

2年ぶりのレースにしては走れた方かと。

 

Whaka 50km 145/840位

後方スタートのディスアドバンテージがあるとはいえ、ボコボコにやられてますね。

やっぱニュージーランド人めちゃくちゃ速いです。下りでは女性選手から煽られてぶち抜かれましたし。

 

日本との違いは、スピードの速さだけだなく、女性参加者がかなり多いということ。

スタートレーンからの写真ですが、結構女性参加者写ってますよね。

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競技に出よう!というスタンスではなく、普段しているフィットネスとアクティビティの延長でレースに出ているノリですね。

日本でも女性ライダーが増えれば良いと心から思います。その場合も、競技を全面に押し出さない方がいいと思うんですよね。ボディメイクと絡めてMTBを推すとかで。


E-bike がかなり流行ってきてて、海外ではだいぶシェアが伸びてきたとはいえ、WhakaのE-bike 部門はまだまだ少なめ。3年前にオーストラリアでステージレースに出た時のE-bike 部門の割合とほぼ同程度。

競技の上ではまだあまり浸透はしてないのかもしれませんね。

管理トレイル

今年ロトルアに2回行って思ったのは、自走で走れる専用トレイルは極端なバイクを選ばない限りかなり楽しめるので、登りも下りも楽しめるという意味では、最もMTBらしい楽しみ方ができると思います。

最近日本でも管理された専用トレイルが少しづつ増えてきているのは嬉しいですね。ニセコツインピークスとか最高じゃないですか。

登りも下りもあるレイアウトは、ダウンカントリーバイクと相性がいいのと同様に、E-bike とも相性良いので、今後このようなスタイルのコースは国内でも増えるでしょうね。

 

そろそろグリーンシーズンが終わり、本格的なオフシーズン到来です。

こういう時はサスペンションやブレーキのメンテナンスをしてみませんか?

物価高で買い替えが厳しくなってきている現在は、メンテナンスして長く使う方が確実に合理的です。

 

MTBのジオメトリーの話から運動連鎖の話まで

ピークアウトと言う言葉は、ここ数年感染者の数や円の値段、原油高と合わさって何度も聞いたワードです。

文脈とは全く関係ありませんが、どうやらMTBの世界でも頭打ちという言葉が出てきたようです。


海外のMTBサイトに、興味深い記事と動画がアップされていました。

Analysis | Have we reached peak MTB geometry? - BikeRadarwww.bikeradar.com

Longer, Lower, Slacker: Have We Reached Peak Geometry? - YouTubeyoutu.be

MTBのジオメトリーはピークに達したのか?

結論から言うと、5年前ごろからロング&スラックなジオメトリーは概ね変わっていないようです。

そして、微調整はあるだろうが5年後もこのジオメトリーはうまく機能すると結論付けています。

後出しじゃんけんですが、数ヶ月前にオリジナルのMTBを作るために色々なメーカーのフレームの変遷を見ているときにある程度同じことは感じていました。

そして今後もリーチが長くなるようであれば、それを補うためにハンドルのバックスィープが深くなると思っていました。が、そうなるとハンドルとのセットになるため販売は現実的ではないようですね。

つまり、Mサイズ(適応165cm~175cm)くらいのフレームなら向こう数年はリーチが440~460mmに留まるだろうというのがこの記事から推測できる今後の展望。

リーチが長くなると、直進安定性が確保され、ハンドルを体が乗り越えるような恐怖が少し減ってきた恩恵を得ることができた反面、ハンドルまでの距離が長くなりバイクコントロールが大雑把になりやすいというデメリットも出てきます。

それを補うために短めのステムを使用するという方法もありますが、バックスィープが

深いハンドルを使用する方法が個人的には合理的だと思っています。

深いバックスィープとは

そもそもバックスィープが深いとはどのくらいを指すのかという問題があります。

一昔前なら7~8°が一般的で、9°と言うのは案外少なかったと思います。そして10°は、、、。

現在市販されているカーボンバーで手に入りやすく比較的バックスィープが深いのは9°。アルミだと10°。アルミだとPNW一択になりますが、入手はしやすいです。

バックスィープが深いハンドルを使うメリット

ショートステムよりも深いバックスィープのハンドルを使うメリットは一つ。

首・肩周りのリラックス感が出やすいからという理由です。

バックスィープが深い方が、手が外側に向かって捻られる方向に働くことがわかると思います。スポーツコンディショニングの世界でスタンダードとなっているJoint by joint Theoryの考え方から言えば、この肢位の向きは胸椎の動きを出しやすいとされています。言い方を換えると、胸椎の動きが出ないと(肩が耳に近づくような姿勢)腰椎(体感幹)の安定感が失われ、股関節の動きが出なくなるというネガティブな運動連鎖になります。体幹の安定感が失われることの多くは、このネガティブな運動連鎖が起因している場合が考えられます。

アスリートのコンディショニングを行っていると、体幹が安定しない、という問題を訴えてくる選手が多いですが、実際のところ体幹に問題があるということより、首・肩周りに緊張があり、隣り合う関節の腰椎(体幹)が弛緩しやすくなっていることが多いのです。

話が逸れてしまっているかもしれません。これでは単なるJ-by-J Theory の説明ですね。

 

つまり、バックスィープが深いハンドルだと肩のリラックス感が出しやすく、体幹の安定感が出やすくなり、股関節も動きやすい姿勢をとることがバックスィープの浅いハンドルと比べると容易になるということです。

 

今後、10°を超える深いバックスィープのハンドルが出てくる気がしますが、少し先の未来の話かもしれません。

なので、現実に手に入るお勧めハンドルを最後に載せておきます。

 

OVERRIDES(旧GLC)ハンドル

GLCカーボンハンドル 9°

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PNWレンジハンドルKW

PNWハンドル 10°

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PNW グリップ 新色

PNWのグリップのカラーを入れ替えました。

商品の説明は過去の記事をご覧ください。

meigaya.hatenablog.com

 

ブラック グレー デザート モス パープル

価格は4,650円(税込み)

店頭・WEBSHOPで販売中です。

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