明雅屋の感想

京大最寄の自転車屋です。一般車・MTB・油圧系修理が得意です。

POLYGON XTRADA 7の感想

弊店に即納できるPOLYGONのMTBがあるのでそれの宣伝のために、過去に販売した同モデルをお客様から数日にわたり貸していただき乗ってみると、想像以上によくできた自転車だったのでここにその感想を記載いたします。

POLYGON XTRADA7

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XTRADA7 27.5 Sサイズ

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結構パヤパやしたカラーリング

この度試乗したのは27.5インチのSサイズだが、弊店に在庫のあるものは29インチのMサイズ(170cm前後がベストサイズ)

※ ハンドル、グリップ、ペダル、Fタイヤは完成車から変更しています。

パーツ構成

メインコンポはDEORE 12s

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割と重要なリアハブは謎のメーカーではなく、SHIMANO FH-MT410μスプライン148ブースト。

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フォークはSUNTOUR XCR AIRということで、少しだけMTBをかじっている方なら敬遠しそうな感もあるが、納車時に明雅屋ファインチューンを施すことにより、かなりスムーズな動きとなっていた。たぶんオリジナルのままだと価格どおりの動きだけど、このフォークはプラス2万ほどの動きになっていたのはとても満足な出来。

 

ジオメトリー

ジオメトリーの流行は近年ずいぶんと変化があったので、過去販売しとても乗りやすかったトレイルバイクと比較してみる。

2016年のNSBIKESのトレイルバイクのジオメトリーと比べてみると以下の通り。

27.5インチ TRAVEL REACH HT angle BB DROP
2016NS eccentric M 140 425 66.5 -39
POLYGON XTRADA7 M 120 430 67 -45

POLYGONの方が同じMサイズでも一回り小さく作られているので単純な比較はできないが、それでもリーチは長く作られていて、ヘッドも相応に寝ているのが分かる。

当時弊店でもかなりの数を売ったNSBIKESなので覚えているが、2016年時点でもこのリーチはかなり長い部類に入っていたし、実際乗ったときにもかなり懐が広いバイクだと感じたものである。

それよりもPOLYGONの方が更に長いというのは、最近のロング・スラックを象徴するものだと思う。

 

じつはこのXTRADA7、27.5インチと29インチの二つがラインナップされている。

弊店に在庫しているものも29インチなので、KONAの同価格帯の29インチハードテールと比較してみよう。

  29インチ TRAVEL REACH HT angle BB DROP
KONA HONZO M 120 440 68 60
POLYGON XTRADA7 M 120 430 67 65

KONAはMTBのトレンドをしっかり抑えたフレームを出してくるブランド。

KONAのMサイズもPOLYGONよりも一回り大きいため単純比較はできないが、同じニュアンスのジオメトリーであることが分かる。

 

このことから分かるのは、POLYGONというメーカーはしっかりトレンドをおさえたフレームを作るメーカーということであり、また、相対的にBBの位置が低いことから、低重心の安心感のある乗り味になっている、ということである。

そう、他メーカーと比べて見ても、このXTRADAは相対的にBBの位置が低い。

 

試乗しての感想

相対的にBBの位置が低いこの自転車。

そのため、安定感をかなり感じることが出来る。コーナーの際にペダルで地面を押さえながらグリップを高めるということも、滑りそうな根っこもかかとを落として低重心でクリアするということも割りと簡単に出来る。

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おそらくMTBに初めての方が乗る場合、ロング・スラックでBB低めのMTBが最適かもしれません。なぜなら、安定感が高いということと、この手のジオメトリーにはフラットペダルが非常によくマッチするから。初心者にいきなりビンディングは無理なので。

XCバイクのようにBB高めだとものすごくペダリングの効率は良くビンディングとの相性も良いけど、不整地走るときには、体全体で重心を変えながらバイクをしならせて走る必要があるので初心者にはちとハードルが高い。

その点、広い踏み面でペダルを押す感覚が発生するフラットペダルと、低重心のMTBはとても相性がいいため、初心者との相性も自ずと高くなる。

ただ、その際チューブレスはとても重要だと思うけど、この自転車のリムは非対応。それが一番の欠点。(個人的にはチェーンステーをあと5mm短くしたら最高だった。)

→チューブレス対応リムでした。

今回乗ったのは27.5インチバージョン。在庫としておいてある29インチだともう少し走破性も上がるため更に安定感も高く感じるはず。

カラーリングがパヤパやしているので好みの問題が出てきそうですが、リムとフロントハブの規格(15×100)以外はとてもよく出来た完成車だと思います。

価格

現在は少し値上がりしていますが、弊店在庫分は値上がり前に仕入れたため、148.800円(税込み)です。

即納在庫は、29インチMサイズのみです。

 

メーカーサイトには書いていませんが、ジオメトリーからすると、140mmストロークまでは許容範囲だと思います。逆に100mmは短すぎます。