シーラントを使ってパンクすると、
「成功したときは話題にならないけど、失敗したときは話題になる」とスパイが言っていたことを思い出します。因果な商売だな、とスパイに同情したものですが、そろそろシーラントについても同じように同情する必要があるかもしれません。
シーラントを使用していてもパンクしてしまった場合、こんな穴も防がないのか!とストレスがたまり、このメーカーは二度と使うか、と思うけど店に帰ったらまだ残りが結構あるので使用してる間に怒りも忘れてしまう、ということがよく起こります。
しかし、この度ちょうどシーラントが切れたタイミングで新ブランドBLACK OXが入荷したので切り替えるタイミングとしては良好。
Vittoria mazzaに付け替えるタイミングで使用してみました。
結論から言うと、パンクしてシーラントが噴き出しました。
BLACK OXの情報
メーカーのアナウンスによると最大9mmの穴も埋めることが可能とのこと。
YOUTUBEで約5.7mmのライフル弾でタイヤを打ち抜いても走り出した動画を掲載してましたね。
ただ、刺し傷の方が穴を埋める効果が高いようで、鋭利な石でついたような切り傷はタイヤの変形で穴が開くため塞ぐ効果は落ちるようです。
今回の穴のサイズ
後輪を岩肌に着地させた瞬間に切れてしまったようで、露出した岩肌で切り裂いてしまったようです。
サイズとしてはなんとも微妙なライン。
これぐらい閉じろよ!と毒づけば、心が狭いと思われるだろうけど、ライフルで撃ちぬいたタイヤで走り出した動画を見せられた身としてはなんともモヤモヤするサイズ。
まぁしょうがない。切り傷で7mm以上だし、しょうがない。
そもそも切り傷の際に穴を塞ぐ効果が低くなるということは、MTBライドにおいては少しだけ心を広くゆとりを持って評価する必要がありそうです。
実際トレイルでのパンクは切り傷がほとんどなので。
オンロードとオフロード
オンロードを走行している場合、よほどのことがない限りこのような傷は入らないだろうし、穴が開いたとしてもピンホール程度の刺し傷ということは十分想像できる。
そのためか、ロードバイクのチューブレスレディのインプレを見ると、無条件でシーラントのパンク防止効果を期待している記事が散見されます。
それではオフロード走行ではチューブレスレディの空気保持とシーリング以外で効果が出ることは果たしてあるのか。
2mmほどの棘が刺さるとか、信じられないくらい小さい石で傷ついた穴とか、そういう状況なら気がつかないうちに穴を防いでいてくれるのかもしれないし、そうであるから私は全く気がつかないのかもしれません。
そう、スパイの仕事みたいに、しっかり仕事を遂行すると表に出ず、失敗したときだけ表明化する。シーラントは因果な仕事ですね。
山の中でシーラントが噴出してリアサスのリンク部分に全てかかっても、リムにかかって表面がガムみたいに張り付いても、また盛大にシーラントが噴出し一切穴を塞ぐビジョンが見えなかったとしても、イライラすることは止めましょう。
恐らく私たちが気がつかない所で必ず仕事をしてくれています。それがシーラントの仕事の成果なのです。
では、果たしてMTBではどのシーラントが良いのか?
以前の記事に書いたJoes NO FLAT は2mm程度の穴ならスローパンクになる程度に塞ぎました。サボテンの棘のようなものなら閉じるかもしれません。
STANSのノーマルシーラントも同じです。ピンホールくらいのパンクは防ぎますが、2mm程度の裂け傷は塞ぎません。
信頼したいところは山ほどありますがBlack OXはどの程度塞ぐのかについては、今回のパンクは穴が大きすぎたのでもう少し継続してみないと分かりません。ただ、この結果を受けてオフロードでの使用時におけるシーラントの役割について考え方を変えるときが来ているのかもしれません。
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